婚活ステップ1「婚活の現状」
2019.05.30
第一ステップ 婚活の現状
結婚の二極化
昨今、二十代で結婚して早くから子育てする人
と四十歳前後でもシングルでいる人の二極化が
進んでいます。その二極化する大きな原因は、
『結婚に対して真剣に向き合うか』または
『目をそらして逃げるか』この差が二極化の
大きな原因になっているのです。
現代は自己責任という名のもとに、すべて自分
の意志で自由に進むことができる時代です。
20年前のように男性は結婚していないと一人
前に見られないとか、24歳までに結婚してい
ない女性は『売れ残ったクリスマスケーキ』と
言われるような社会的な束縛がほとんどありま
せん。自ら信念を持って杭を立てないと多忙な
日々の生活にどんどん流されてしまいます。
このことに早めに気づき、『自分の人生を幸せ
なものにするには結婚が必要かどうか』を真剣
に考えて選択すべきだと思います。
そして、結婚が必要だと思ったら、すぐに行動
すべきです。何故なら結婚を願う男女のほとん
どが子供を希望しています。特に女性は年齢を
重ねるごとに出産のリスクが高まります。三十
代の女性はタイム、イズ、マネーではなくタイ
ム、イズ、ライフ、時は命なのです。日本には
古来より厄年という考えがあります。
婚活のサポートをさせてもらうようになってこ
の慣習はよくできていると思うようになりまし
た。厄年である男性が満四十二歳、女性が満三
十三歳になると、体調が変化し体力が落ちてし
まうのです。この年齢までに結婚して出産して
おくことが望ましいという先人からの教えだと
思います。
婚活をサポートする者にとって一番の仕事は、
『初めてのことでイメージしにくい婚活から
婚約までの流れを婚活者にイメージしてもら
うこと』だと思います。そのイメージが具体
的で鮮明であるほど結婚は決まったようなも
のです。
今どきの男と女
普通の男はどこにいる
明治大学で男女の結婚能力を育成する『婚育』
という授業を行っているのが諸富祥彦(もろと
みよしひこ)教授です。個人セッションの時に、
教授から最近の男子学生は女性との性行為を
不潔なものと感じる傾向があり、女性といる
よりも男子生徒といるほうが多いこと。さら
に大学生のカップルのうち六十五%女子から
の告白で交際がはじまること。さらに男子学
生は女子生徒に「僕は君から申し込まれたら
断らないよ」というオーラを出すのが精一杯
だと聞いて驚かされました。
教授はこれからの日本人男性は、自力で結婚
できる三割、手助けがあって結婚できる四割、
そして生涯一度も結婚できない三割に分かれ
ると予想していました。そのことに危機感を
感じた教授は社会人になってから結婚能力を
つけようとしても遅いので、大学の授業で
『婚育』をはじめたのです。
また、九州大学で佐藤剛史助教授が『婚学』
というゼミを、早稲田大学では恋愛学・結婚
学というゼミを始めると、すぐに定員オーバ
ーの学生に超人気のゼミになりました。
これは裏を返せば、『男女のコミュニケーショ
ン能力が婚活に求められているのに、そういう
教育を受ける機会が一度もなかった』という問
題があるのです。
また、結婚しない理由として
経済環境の悪化と先行き不透明な時代背景で、
未来に不安を抱えている男性が多いこと。さら
に飯、洗濯 風呂付の親と同居のパラサイトや
コンビニやコインランドリー、外食産業などが
整備されている
ので、単身でも日常生活を送るのに何の支障も
ないこと。さらに困ったことにインターネット
の普及により、現実の女性より美しい演出され
た女優との仮想SEXで性処理ができてしまう
ことです。
お一人様生活で十分満足できるのに、わざわざ
時間もお金も自由も奪われる生身の人間との交
際は、めんどうくさいと感じているのです。
スマホの普及がその傾向をさらに加速させそう
で恐ろしくなります。
婚活を始めようする女性達の中で、「普通の男
性がいない」という切実な声をよく耳にしますが、
このあたりに原因があるようです。しかし「普通
の男性がいないのは普通の女性がいないから」と
も言えるのです。
甘えベタな女
「自然な出会いを待っていれば、いずれは結婚で
きると思っていました。でもふと気がつくと40
歳目前になっていました」。私どもの相談所を訪
ねて来られる女性の多くが、このように言われま
す。自然に結婚できるという結婚観は、今婚活し
ている30代40代の親世代のものです。
以前は日本には大きな結婚相談所のようなシステ
ムが社会に存在していました。それは何だと思い
ますか?答えは高度成長期時代の会社組織です。
その時代は女子社員に腰掛、寿退社という言葉が
存在しました。会社にまだ人を育てる余力があり
短大卒の若い女性を採用し、社内の男性と結婚し
て身を固め家族のために仕事に邁進してもらう仕
組みがありました。今は会社にそんな余力はなく、
人手不足で会社が潰れる時代、女性も戦力として
バリバリ働いてもらわねばならなりません。
まして、上司が恋愛や結婚について肩に触れなが
ら女性に話そうものならセクハラ パワハラと言わ
れて自分の首が危ないのです。未婚女性にはうかう
かとは近寄れない息苦しい時代になったものです。
もう一つ過去にあって今はない結婚応援の仕組み
があります。それは、ご近所さんのおせっかいパ
ワーです。親戚やご近所の皆さんが、二十代で結
婚しないとおかしいという社会通念のもと、やか
ましいくらいに縁談話をもちかけてきたものです。
しかし、地域のコミュニティは崩壊し縁談どころ
かお隣さんが死んでも気づかない無縁社会となっ
てしまいました。
そして、女性の結婚を阻む大きな要因がもう一つ
あります。それは男女雇用機会均等法です。法律
が施行されて20年以上経ち、女性の職場での重
要度は益々高まっています。仕事を覚える二十代
責任のある地位について仕事が楽しくなる三十代。
そうこうしているうちに結婚について考えるタイ
ミングを逃してしまうのです。また、大学や就職
先で活躍している男性を見ているので、結婚相手
に対するハードルがおのずと高くなってきます。
さらに、仕事場で男性と対等に働くので、精神
的防御するための堅く厚い『心の鎧』を身に着
けてしまうのです。その鎧を男女間の関係にお
いてもうまく脱ぐことができず、素直な自分を
相手に見せられなくて困っている女性をたくさ
ん見てきました。映画『アナと雪の女王』の主
題歌『ありのままで』という主題歌が大ヒット
しましたが、そうありたいと願う女性が多くい
る現れかもしれません。
ゴールなき婚活
婚活はしているのに成果が出ない人には大きな
特徴があります。
婚活に成功する人は、アクセルを踏みきってエ
ンジンフルパワーで走りぬけていきます。成功
しない人はアクセルとブレーキを同時に踏んで
いるので前へ進まないのです。なぜ一気に踏み
込めないのでしょうか?
それは、ゴールが見えない不安と恐怖からきて
います。「このマラソンにはゴールがありませ
んが、そんなことは気にせず、さぁスタートし
てください」と言われても不安で誰も走り始め
ませよね。42・195キロメートル先にゴー
ルがあるから走れるのです。これと同じことが
婚活にもいえます。自分のたどり着くべきゴー
ルをイメージできないと、不安で活動を始めら
れませんし、たとえ始めたとしてもすぐに立ち
止まってしまうのです。また、自分なりのイメ
ージできないと周りの人から大きな影響を受け
てしまいます。
例えば「早く結婚しろ」と、うるさく言ってい
るけど、口喧嘩ばかりしてちっとも幸せそうじ
ゃない両親。「結婚してから自分の自由に使え
るお金が減って、遊べなくなった」とぼやいて
いる男友達。夫が子供の面倒や家事を手伝って
くれない、暴力を振るわれる、浮気されたなど
と愚痴ばかり話す既婚の女友達。そんな周りの
結婚生活を見ていると結婚に夢がもてなくなり
ます。
ただし、その結婚生活はあなたのものではあり
ません。あくまでも他者の結婚生活です。両親
の場合は、反面教師としてとらえて、自分は信
頼し合える家族を作ると決めればいいことです。
また、友人に関して少し考えてみてほしいのは
未婚のあなたに対して、おのろけ話ばかりする
わけにはいかないと思います。それは友人のあ
なたへの気遣いといえるかもしれません。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」と言います。その
諺の意味は「夫婦のことは夫婦にしかわからな
いので、他人があれこれ詮索しても仕方ない」
そんな風に私は解釈しています。結婚生活はあ
なたとパートナーが醸し出す唯一無二のハーモ
ニーなのです。